オルタナティブであること/甲斐賢治
2020年6月の理事会をもちまして、理事長を退任することとなりました。およそ、4年にわたりみなさまにはたいへんお世話になりました。
当法人にかかわりはじめてすでに17年となりました。いま思い返すと、98年の通称NPO法の制定から5年、各地におけるアートの新たな展開がまだ始まったばかりとも言える状態で、当時はすべてが可能性に満ちていたと言っても過言ではない状態でした。そのようななか、わたしは大阪市による経営が傾きつつあった屋外型遊園地の遊休地を転用したアートセンターにかかわり、その後、いくつものアートNPOに携わりながらこの20年を過ごしてきました。しかしながら、昨年のあいちトリエンナーレにおける文化行政の歪みやまさに現在のコロナ禍において、実に厳しい状況が多くの生業と同様、各地のアートNPOにも押し寄せています。
そこで、アートNPOリンクは新たな理事長を迎え、基礎から組み立て直すことといたしました。あらためて各地の非営利組織との対話を通じて、課題を見つめ直すことから始めます。わたしも引き続き、理事の一人として各地の組織とのネットワークや連帯を通して、いま一度「オルタナティブ」であることの意味や力を見いだしながら、新たな状況づくりに取り組んでいきたいと思います。
これからも、アートNPOリンクをどうぞよろしくお願いいたします。